【インタビューアー入門】おいしい言葉の引き出し方7選。

商売柄、インタビューする機会は非常に多いです。
というか、普通のディレクターに比べて極端に多いです。

メイキング映像、ドキュメンタリー、企業紹介、対談……。

今まで1000人以上から言葉を引き出してきました。

映像を始めたのがメイキング映像の撮影からだったので、
最初の頃はうまくコミュニケーションがとれず、
どうやって言葉を引き出していいかわかりませんでした。

いきなり知らない人がカメラを向けてきて、

「どうですか!?」

とか言われても、

「なんやねんこのおっさん」

が普通です。

インタビューするときには非言語の部分(動作や表情)も大切ですが、

「人から言葉を引き出すのが苦手」

「取材をしてもうまくいかない!」

って人のために、
とりあえずここを意識してやってみたらどう?
というポイントを、
体験談をもとに7つにまとめました。

1.YESやNOで答えられる質問はしない

インタビューをするときに一番考えて欲しいのは、
相手の思考をある程度誘導してあげるということです。

カメラを向けられると人間は緊張しますし、
話の中身よりも自分がちゃんと写っているかどうかに気をとられます。

ですので、自分が話している内容についてはよくわかっていないことが多いんです。
(キャリアの長い役者さんや芸能人の方は別)

話をだーーーーってしてもらったあと、

「ん、この人いま話の脈絡を見失ってるな」

と思ったら、こっちだよ、
という方向性を誘導してあげるのがインタビューアーのお仕事です。

そのときに、YESかNOで終わるような単発の質問は用意してはいけません。
会話続かないし意味がないからね。

ですが、例外もあります。

例えば、

「◯◯については〜〜ですか?」

「はい」

「ということは、▲▲についてはどうなるんでしょう?」

「あ、それはですね……」

というように、
相手の言質をもとに会話を進めていくような場合です。

この場合は人間は自分が一度肯定したり否定したことから、
論理的に矛盾する内容をしゃべることに抵抗がある、
という特性を生かして会話を引き出していきます。

慣れてくるとこういう会話の組み立ては即興的にできるようになりますが、
初心者の方は基本的にはYESとかNOは使わないほうが無難です。

whatとかhowで聞く。

「〜〜についてはどのようにお考えですか?」

「なぜ、◯◯ですか?」

「一番、▲▲なことは何ですか?」

2.相手から曖昧な表現が出たら具体性を促す

yesとかnoを使わないで質問をすると、
曖昧な表現が出てくる方もいます。

「様々なことに応用できます」

「とってもいいです!」

「みんなにとってオススメです」

「素敵でした」

そういうときは、
より具体性を求める方向に会話をシフトします。

具体性を出すときは、

・数字を言ってもらう。

・beforeとafterの違いを言ってもらう。

・気持ちではなく行動を語ってもらう。

・エピソードを語ってもらう。

・他人のいいところを褒めてもらう。

に持っていくといい言葉が出るケースが多いです。
シチュエーションに合わせて使い分けてください。

3.言葉を反復する

一番簡単なテクニックです。
どうにもこうにも会話が続かないときは一番これが手っ取り早いです。

「それは▲▲ですねえ」

「▲▲」

「はい。つまり……」

相手の会話で気になった部分をただリピートします。
すると十中八九、その単語について解説してくれます。

宮崎駿さんをひたすら追いかけたドキュメンタリーがあるのですが、
ディレクターの方は宮崎さんがあまりにも話さないので、
いたるところでこのテクニックを使っていました。

実際やってみるとすぐに効果がわかります。

4.感情を揺さぶる


これは上級テクニックです。
使い方を間違えると相手から拒否されます。

のでよく考えて使ってください。
下手をすると信頼が損なわれます。

このテクニックは芸能関係の人がよく使います。

記者会見とか、
スキャンダルのときに、
記者の人がありえないくらい横柄な態度で質問する場面って、
見たことがありますよね。

あれは何であんなに態度が悪いのかというと、
相手を怒らせて本音を引き出しています。

ああいう場に出てくる方は、
事前にしっかりとシミュレーションをして現場にくる方が多いので、
ネタになるような言葉が引き出されないケースが多い。

だから感情に揺さぶりをかけて本音を引き出しています。

あとは、
下衆なやり方ですが、
思い出を語らせることで相手に感傷に浸ってもらって、
涙を引き出したりします。

不安とか怒りっていうのは、
コントロールするのが難しいからですね。

個人的にはほとんど使ったことはありませんが、
場合によっては必要になってくる方法だと思います。

5.カメラを意識させない

自分がやられたらわかりますが、
カメラって向けられると怖いです。

インタビュー慣れしていない人にとって、
最初の質問はどうしてもカメラを意識して形式ばったものになってしまいます。

(本当は、質問する方とカメラマンは分離していた方が有利です。
一対一の人間関係に持ち込むことができるので)

そういう場合、
質問事項の最初の方は信頼関係を培うことだけにフォーカスして、
実際には使わない質問を用意します。

ポイントは、
さりげなくあなたと相手との共通点を見つけることです。

そこから数回、共通点に関しての話題を展開します。
終わるころには意識がカメラから離れています。

そうなった段階で、
本題に入ります。

6.台本の流れから脱線する

私の場合は、
目的が明確な場合は質問事項をリストアップしてからインタビューします。

そのときに気をつけなくてはいけないのは、
質問事項を機械的に処理しないようにする、ということです。

経験が少ないと、
ひとつひとつの質問をただ処理していくことに意識が向かってしまって、
トピックについて掘り下げることができません。

ひとつの質問を投げかけたときに、
相手から反応が出たら、
その反応に対して逐一掘り下げ、展開していくために、
一度用意した台本の流れから脱線することも大切です。

これは事前に用意することができないため、
即興的に対応する技術が必要なので経験が必要です。

7.会話を整理してあげる

インタビューアー自身が言った言葉が文字にされたり、
音声にされたり、映像にされる場合は、
被写体が答えた内容を一度サマリーしてあげることも大切です。

最初に言った通り、
慣れていない方の場合は自分でも何について話しているのか、
見失ってしまうパターンが多いです。

「なるほど。つまり〜〜ということですね?」

と補助をしてあげる。

この一言で文脈が整理されて、
言わんとしていることが明確になります。

複数の人間で同じ議題について話すときにも、
会話をサマリーするのは非常に大切です。

「何のこと話していたんだっけ?」

という疑問符がインタビューアーに出てしまうと、
全員が混乱してしまいます。

だから、
インタビューアーは答えについてしっかりと聞く。

耳を通しているだけで内容が入っていない場合は、
何度も確認する。
それだけでも質が変わります。

8.いかがでしたか

最初にも言いましたが、
インタビューした数が一番大切です。

私の場合は始めの2年間で、
カメラを通したコミュニケーションのやり方を徹底的に仕込まれました。

ぜひ参考にして、
楽しい撮影を進めてくださいね。

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