何か新しいアイデアを具現化したい、
あるいは、
無形の企画自体を組み立てたい、という機会は少なからずあるかと思います。
クリエイティブ職に限らず、
商品を実際につくるひと、もしくは戦略を立案する立場のひとにとっては、
全体の設計をするところからすべては始まるというお話は以前もしました。
でも、
実際に作業にとりかかったり、企画を考えたりしていくと、
制作していく過程で当初とは別のものが出来上がって、
しかもそれがとんでもなくズレたものになってしまった経験ってありませんか。
実務で制作を担当している場合は、、、、
P「んー、ごめん、やっぱここのところこうしたいわ!」
D「えっ?! わかった!」
P「あれ!? なんかあっちも変だわ。あっちも変えて!」
D「うああああああああああああ」
→
クライアント「ボツです!」
P&D「」
企画を担当している場合は、、、、
P1「グランドデザインがうんたらかんたら」
P2「よしこれでいきましょう!」
→
P1「だめだ。ここの部分のコンプラがうんたらかんたら」
P2「じゃあここだけちょっと変更しましょう!」
→
クライアント「ボツです!」
P1&P2「」
みたいな。
こういうのはクライアントの方が意地悪だからでもなんでもなく、
有機的思考ができていないから生じます。
これが短期的なプロジェクト(数ヶ月単位)ならまだしも、
長期にわたった大掛かりな案件の場合、
迷子になってしまうととんでもない大損です。
ふつうにクビが飛びます。
そんなのいやですよね。
ってわけで今日は有機的思考のススメ。
有機という言葉は誤解されています
有機物とか無機物とかありますよね。
科学系が得意なひとは化学式とか出てくるかも。
試しにぐぐってみたら、
ゆうき
【有機】
1.
生活機能をそなえ、生活力を持つこと。
2.
「有機栽培」の略。
って出てきました。
そもそもの意味なんだけど、そこから転じて、
有機的っていう言葉は、
全体と個が密接に影響しあっている
という意味です。
ゆうき‐てき〔イウキ‐〕【有機的】
[形動]有機体のように、多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っているさま。
「有機的な構造」
この世に存在するものはすべて有機的です。
本当にすべて。人間の体もそう。
(ここらへんは話がズレるので割愛)
企画や制作もすべて有機的構造をしている
たとえば私がなにか作品をつくるとき、
あるいは、
企画を立案することを求められたときは、98%理屈で作ります。
どことどこが対応関係にあって、
どこがどこに影響をして、
どこを変えたらどうなるのか、
という論理的な構造をすべて明らかにした上で、
入り口のひらめき、そして最後の隠し味として1%ずつクリエイティブを入れます。
(全然クリエイティブじゃないと思う? でも本当はここが重要なんだよね)
だから、
どこかを変えると必ずどこかに影響が出ます。
出るように作っています。
(出るように作っていないプランは、そもそもプランとして甘い。
素人がやるときのあてずっぽうのプランです)
ですので、
「ここの部分だけをこういうふうに調整したい」
っていうオーダーに対しては多くの場合、
「そこを変えるとここがこうなりますけどいいですか?」
という対応を即答できるようにしています。
(おそらくこういうオーダーが来るだろうな、というのは事前にある程度予測できます。
あるいは、おそらくそこを変えたことによる変化にユーザーが反応しないだろうという場合はそのまま通す)
これを企画立案者、
および制作の責任者が共有していることがプロジェクトをすすめる上での絶対条件。
不慮の変更に対して、場当たり的に修正をしたらどうなってしまうかを前もって把握できます。
(じっさいにはたった一人で企画・制作することってあんまりないですよね。
何人かのチームで制作にあたる場合が多いはず。
本当はひとりひとりのメンバーがこういう意識をもって仕事をするのが一番ですが、
さすがにそれは理想論ですよね)
そうすることによって、
変更に対して生じる問題を事前にカットする。
これができて当たり前。
有機的思考をするためには
ぶっちゃけ経験です。
ですが、図をつかって対応関係を整理するように私はしています。
さいしょに閃いたアイデアを中心に、
対応する箇所を図にしていく。
面倒ですが、絵にして出力したときにはじめてわかることってあるよね。
修正や変更が入った場合は、
対応する箇所の因果関係を明らかにして、
影響が出る範囲を特定する。
これめちゃ大事。
(企画系だとマインドマップつかうひとも多いですが、
制作系だとプロでもあれやってるひと極端にすくない。よくない。地獄みるで)
お試しあれ。
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