【ハウルの動く城】誰もしらない黒い部屋の話。

Angela Wolf

ジブリの作品だと、ハウルの動く城がけっこう好き。

(個人的には風立ちぬが不動の一位。あとはそれぞれいいところあるよねって話)

興行収入てきにはあんまりヒットしなかったみたいだけど、
演出に惹きつけられるものがあって好きだった。

もちろん完全に手描きではないんだけど、
明らかに表現として独自性のあるものを作ってる。

商売柄、ジブリのドキュメンタリーはよく見ます。
一般公開されているものは全部みた。

宮崎駿は天才だと思うけど、
それに付き合う鈴木さんもすごいし、かぐや姫の高畑監督の凶暴なところも好きです。

で、

さいきんだとあんまり公には対比されないけど、
宮崎駿と対照的な人物として押井守さんがいる。

宮崎駿が太陽のクリエイターだとするなら、
押井守は月のクリエイター。

代表作はもちろんGHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊。
こんどハリウッドで実写化されますね。

ちなみにマトリックスのウォシャウスキー……

ん?

えっ!?

ウォシャウスキー兄弟って二人とも性転換したの!?

gigazine

マジかよ!!!!

wikipediaの表記もウォシャウスキー姉妹になってるし!
こんなブログどうでもよくなるくらいびっくりした。

まあマトリックスのウォシャウスキー姉妹はマトリックスつくってるときに、
押井さんに

「攻殻機動隊をパクったわけじゃないからね!」

と言ってきて、
押井さんは笑って気にしてねえからいいよ、
といなしたらしいです。

ほかには、スカイ・クロラとか。

これはあんまりヒットしなかったみたいし、
評論家のひとたちはけっこう辛口だったけど、
俺は好きです。

で。

鈴木敏夫さんと押井さんはけっこう仲良いみたいで、
押井さんは鈴木さんのこと「トシちゃん」って呼んでるくらい。

なんどかタッグを組んで作品つくってるよね。

ジブリが制作部門の件であれこれしてたとき、
二人が何かの機会で対談することがあった。

「宮崎駿の作品でどれが好き?」って聞いたら、
押井さんは「ハウル」と答えた。

以下引用。

「なんか、円盤が回るじゃない、カチャカチャ。
 四つ色が分けてあって、カチャカチャ回すと違う世界に行くんだよね。

 四分の一は真っ黒に塗ってあるわけ。
 真っ黒のとこに回して、ドアが開くと、戦争やってるんですよ。

 業火に燃えている戦場で、
 主人公のハウルが怪物になってバッサバッサ飛び回ってるわけ。
 そこから帰ってくると、血みどろでヨレヨレになってるんだよね。

 で、火の妖精かなんかが「いい加減にしたほうが良いよ」って、
「そのうち、元に戻れなくなるよ」って。

 
 あのカチャカチャってなんなんだろうって。
 で、「あ、わかった」って。
 あれって、男の内面の話なんだよね。
 男って、4つくらい世界持ってるんですよ。どんなオヤジでも。

 そのなかの四分の一は、
 家族にも見せられない、奥さんにも見せられない、
 自分の娘にも見せられないダークサイドがある
んですよ。

 四分の一くらい。多い人は、半分くらいあったりするんだけどさ」

どうでしょう。
男性なら頷いてくれるんじゃないかな。

神話的アプローチをすると、
ハウルが悪魔と対決するときは自分も悪魔にならないといけないみたいな話もあるけど、
この部分の描写って実はもっとプライベートな男の内面を表してるよね。

どんなにニコニコしてるひとでも、
どんなにおとなしそうなひとでも、

もちろん俺もふくめて、
誰もしらない黒い部屋を男はひとつ持っている。

それを前に出すか出さないかは別だけど。

だからね、表面的に「あの人はいいやつだ」っていうのは危険だと思うのね。
よくいうじゃん。裏表がないひととか。
そんなやついないよ。

いないっていうか、
それは見ている人が勝手に決め付けているだけ。

誰だって弱さや残酷性は持っている。
あるときにはその力を借りないと戦えないときだってある。
だからひとを信用するなって話じゃないよ。

全部ふくめてひとつの生き物なんだ。
もちろん、そのままダークサイドに堕ちちゃだめだけど。

ちなみに、
宮崎駿監督が木村拓哉さんを主演に抜擢したときの第一声は、

「男のいい加減さを持った声だ」

と言って大絶賛したそうです。
なんだかそこに答えが集約されているきがします。

ハウル、あんまりよくわからなかったってひとももう一度見てみてね。
きっと発見があると思うよ。

ハウルの動く城

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