キングコング西野さんはどうしてクリエイターに叩かれちゃったのか。

Ed Schipul

世間で話題になっていることに関してはあまり取り上げないようにしています。

ですが今回の件に関しては、
ちょっと事情が違います。

キングコングの西野さんがご自身の絵本の無料公開をしたら、
なぜかSNSから焦げ臭いにおいが立ち込めていて、
最初はただ西野さんのことが嫌いなひとが反射的に反応してるだけだと思ったのですが、
よくよく観察してみると、

「クリエイターの仕事をうばっている」

「だったら図書館に寄付したほうがいい」

とか、そんな感じの意見がいっぱい見つかりました。
個々の返答に関しては西野さんがブログで返しているので、
ここでは取り上げません。

で、

クリエイターじゃないひとがそういうことをいうのはわからないでもないのですが、
私の周りで活動しているひとたちまで、
(特にじっさいに現場で手を動かしたりする実務を担当する方々)
これを言っていて、
ちょっとした衝撃を受けました。

これから私が書くことは、
西野さんを擁護するとか、批判しているひとたちを攻撃するとかじゃなくて、
どうしてクリエイターのひとが拒絶反応を示してしまうのか、
ぐちゃぐちゃに入り組んだ出来事を分解するとどうなるのか、
についてです。

01.建前と本音

世の中には建前と本音ってものがあります。

クリエイターは本音が大好きです。
主義主張を代弁したり、自己表現をするのがお仕事だから。

だから、建前と本音の使い分けってふだんやらないですよね。
たぶん。
私もあんまり好きじゃありません。

例えば世の中に存在する、営利目的の団体が、
自社の商品をひとに販売するときって、

建前「これであなたの生活が豊かになるからあげる!」

本音「お金ちょうだい!」

となります。

世の中にはそういうことってたくさんあります。
悪意(法律的な意味での悪意、意識しているかそうでないかです)
をもって相手にgiveする。


建前「連載が終了した人気漫画を毎日無料配信するよ!」

本音「関連作品を買って!」


建前「うちの商品は毎年必ずバージョンアップするよ!」

本音「顧客を依存させて毎年儲けたい!」


建前「募金をして困っているひとたちを助けるよ!」

本音「うちのこともっと知ってくれ!ファンになってくれ!」


建前「無料クーポンお配りします!」

本音「メアド教えて!」


建前「ブログでクリエイターのための情報をタダで発信するよ!」

本音「いいねとかシェアとかくれ!友達になってくれ!」


建前「みんなのために、ウェブ上で集まれる場所を用意したよ!」

本音「広告みてくれや!金を還元してくれや!(ただしtwitterは除く)」


建前「あなたの人生を豊かにします!」

本音「私の人生を豊かにしてくれ!」

大切なのは、これらの行動って、
結果としてそうなってるってことです。

誰かが意図的に設計したにしろ、してないにしろ、
結果的にそういう捉え方ができるってこと。

そして、結果的にちゃんとお互いが手に入れたいものを手に入れている。
行動だけをみたらgiveしただけ(悪意善意とわず)でも、
結果的にgive&takeに収束している。

そうやってモノを回転させていく。
win-winってそういうことですよね。

もちろん世の中には打算を抜きにして、
ひたすら身を削って相手に与え続けたいひともきっといます。
マザーテレサとか。

でも見方を変えたら、
身を削って相手に与えまくったひとは、
ちゃんと何かを受け取っていますよね。

本人の意志とは無関係に。
マザーテレサとか。

商売をするひと、
とくにBtoCで不特定多数の人間に商品を販売をするときって、
ほとんどは本音から逆算して建前を用意しています。
そういう計算ができるひとが優秀なビジネスマンっていわれるひと。
(本当にトップ層のひととかは、giveすれば必ず返ってくることを経験で知ってるので、
 計算すらしない。笑)

いやですか?
でも、じっさいにそうなってるんだからしょーがない。

これって悪いことだと想いますか?
たとえあなたが悪いことだと思っても、
価値を交換しているひとたちが満足していたら、
それで当事者は幸せになっちゃうんですよね。

おかしいといえばおかしいかもしれないですが、
これを否定してしまうと世の中の商売はほとんど消えてしまいます。

じゃあ一方クリエイターのひとたちはどうなのか?

っていうと、


建前「子供に読ませたいから無料で公開しちゃうぜ!お金の奴隷やめようぜ!」

本音「たぶんこっちのほうが売り上げあがるで!ついでに炎上させて売り上げUPに使おう!」

これを頭のなかで、


建前「子供に読ませたいから無料で公開しちゃうぜ!お金の奴隷やめようぜ!」

本音「子供に読ませたいから無料で公開しちゃうぜ!お金の奴隷やめようぜ!」

にしろってことをいうんです。
意訳すると、

「与えるというからには何の見返りも受け取っちゃだめだ!そんなの偽善だあ!」

ちょういいひとです。
でもそれって不可能でしょ。

なにかを与えたら、自然現象と同じで、
勝手になにか返ってきちゃうんですよ。
求めようが求めまいが。意志とは関係なく。

西野さんがじっさいにどういう思考で行動したかはわかりませんよ。
っていうかそういう個人の意図とかどうでもいいですよね。

ただ結果として、
売り上げはUPし、
ファンが増えて、
話題にもなった。

そんだけ。

02.受注と発信

クリエイターっていうのは厳密には二種類います。

ある企画を立ち上げた際に、クリエイターが作った商品そのものを売るひと(発信)。
ある企画を立ち上げた際に、商品に付随するパーツをつくるひと(受注)。

たとえば音楽アーティストがCDを売るときは前者ですよね。
でもそのアーティストが映画のサントラをつくるときは後者になります。

スタジオミュージシャンは後者、バンドマンは前者。

映画監督は前者(厳密にいうと映画産業の構造上は後者なんだけど便宜上)、
CMディレクターとかMVの監督は後者。

小説家は(便宜上は)前者、コピーライターは後者。

私が見回したかぎり、
西野さんの件にブチ切れているクリエイターは9割くらい後者(受注)でした。

なるほどと思いました。

たしかに販売するひとが後者の場合は、無料で作品を売られると困ります。
予算の管理ができないので、価値をつける方法が、
基本的には単価をあげるしかありません。

後者の立場のひとがダンピングをおこなうと、
たしかに値崩れが起きます。
じっさいにクリエイティブ職の方は現状そうです、、、、よね?
(ぶっちゃけ最初はタダでうけて実績にしてから値上げするひと多いですが)

ですが、
前者の場合はそうではありません。

前者の立場のひとは(ふつうは作り手と売り手で分業する場合が多いですが)、
売れたらお金をもらえますが、売れなかったら一銭もお金をもらえません。
赤字です。

後者のひとにはその感覚がわからないんですよね。

前者の立場のひとの感覚って。。。。。


「どこでお金をもらうのか(キャッシュポイント)を設定して、そのための戦略を練る」

「短期的な売り上げよりも、最終的にいくら儲かるかを重視する」

「売れなかったら赤字なので、手段を選んでないようにはたからは見える」

西野さんの件はこのことについて話しているひとが、
私の知る限りだれもいませんでした。

っていうかわかっていてもいちいち言っていないんだろうな。
そういうこと覚えられると困るから。

発信側と受注側は、抱えているリスクの種類がちがうので、
同じ土俵で議論できないです。

感情的な喧嘩になって終わりです。
じっさい今回もそうでしたよね?

発信側からしたらメリットなことが、
受注側からしたらデメリットなこともあるし、
逆もあります。

受注しか頭にないクリエイターは簡単に利用されちゃいます。
それだとほんとに使い潰されて終わっちゃうし、
それは私が嫌なのでこういう話をしています。

03.感情と商売

個人的にいちばん悲しいと思ったのがこれです。

結論からいうと、
感情的になっているひとは、商売において超コントロールしやすいって思われてます。

。。。。。

と思ったのですが長すぎるので反響があったら続きかきます。
今日はここまで。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA