親友をゼロからプロデュースした話。

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五年くらい前に、死にそうだった友人の家庭に、
先日双子が生まれたという話を聞きました。
 
妻には言っていないけど、こっそり泣いてしまった。
ほんとにどうしようもない状態だったから。
 
彼は中学校からの友人で、とても気のいい人間なんだけど、
はっきりいって生きる力がなかった。

 
彼女にフラれて、大学は中退、
就職先も決まっていなくて、ある日突然僕のところに電話をしてきた。
 
 
「いまから行くから住ませてくれ!」
 
 
と言ってきた。笑
 
当時ぼくはまだ1kの部屋に住んでいたけど、
とにかくなんとかしようと思って、家に彼を入れた。 
 
顔はげっそりと痩せていて、
明らかに正気が失われていた。
 
「どうしたの?」ときいたら、
 
彼女にフラれたあげく、その彼女は同じサークルの仲間とくっついちゃったみたい。
(これあるあるだけど、純粋で弱い男は一気に心をやられてしまうのだ。僕も経験がある。笑)
 
 
とりあえず衣食住を保証しなくてはいけないので、
最初はご飯や寝床を彼に提供するところから始まった。
 
そこからどうやって生活させるか、ということを設計した。
 
彼にとって甘えを与えてはいけないと思ったので、
家ではけっこう冷たく扱った。
 
寝るときは僕だけ布団だったし、
彼は床で寝ていた。今考えると本当にひどいことをしていた。
でも多分、こんな生活は二度としたくないって思ってくれたはずだ。
 
そこから彼の仕事が軌道にのってきて、
収入が確保されてきたので、
二人でアパートをかりて家をシェアした。
 
その頃はけっこう楽しくて、
毎日仕事が終わると二人で将来のことを話し合っていた。
何時間一緒にいても飽きなかったし、
はたからみたらちょっと怪しい関係だった気がする。笑
 
彼はいい家の出身なので地頭がものすごくよくて、
僕にはない魅力を持っていた。イケメンだしね。
 
そういえばそのときうちの親が彼のことを心配して、
布団を送ってくれたな。笑
俺は送らなくていいといったけど。
 
 
それからいくつかの出来事があって、僕はその頃彼女ができて、
結婚を考えるようになった。
 
僕の彼女も彼の彼女も、部屋を何度も訪ねるようになっていた。
 
これは僕がよくなかったんだけど、
そのときの彼の彼女と彼が先に別れた。
 
僕と僕の彼女はそのまま家に居座るようになったんだけど、
普通に考えてそんな状況で気持ちよく暮らせるはずがない。
 
 
だからそろそろ僕は結婚して、彼を一人で住ませたほうがいいと思った。
 
 
だけど困ったことに、収入の面でも、
まだ彼一人だと自立できない。
単純に家賃を二人でシェアしているので、
僕が抜けてしまうと彼は生活ができなくなる。
 
そんなことになったら、彼はまた絶望してしまう。
結婚するにしても、そのことだけが心配だった。
 
 
僕は、彼が本当に自立するまでは結婚はしないことにした。
そのぶん妻をとても不安にさせてしまったけど、
僕にとっては一度面倒をみるといったからには、
最後までやり遂げることのほうがはるかに大事だったから。
 
苦肉の索で僕が考えたのは、
彼に女性を紹介することだった。笑
 
幼馴染なので好みは知り尽くしている。
しかも僕は口先がうまいので男女のマッチングをするのはとても得意だ。
(やり方を選ばないので乱暴に思われるかもしれないが、結果さえよければいいということを重視しているのでそうなる)
 
 
そしたら、すぐに二人は付き合って、結婚すると言いだした。
これは奇跡としかいいようがない。笑
結果的には僕たちよりも早く結婚した。笑
もしかしたら、彼もどこかで僕に対して負い目を感じていたのかもしれないけど。
 
 
それから彼とは距離を置いた。
一度だけものすごい理不尽な理由で彼を怒鳴った。
僕のことが嫌いになるくらいに理不尽なことを言った。
 
なぜかというと、彼と距離を置きたかったからだ。
 
恩着せがましい関係になるのだけは嫌だった。
彼の人生はもう彼だけのものだ。
 
彼にはもう僕なんかいなくても大切にしたいひとのために人生をかけてほしいと思った。
 
それから彼とは連絡を一切とらないようにしている。
それでいい。
今ではIT系の会社で仕事をしていて、奥さんと子供に囲まれて幸せな家庭を築いている。
 
 
 
なにがいいたいのかっていうと、
ひとを本気でプロデュースするとか、
ひとを本気で変えるっていうのはこういうことだということだ。
 
こういう覚悟がない人は他人をプロデュースしたいとか言ってはいけない。
中途半端なコミットメントじゃ人は変えられない。
文字通り、自分の人生の半分をその時期に受け渡すくらいの覚悟が必要だ。
 
だから僕は自分が関わる人間を絶対に幸せにする自信がある。
体験したから言えることだ。
 
 
それと、これも自信を持って言えるが、
 
いまがどんな場所だろうが、
どんな逆境だろうが、
人間っていうのはそんなに弱くはない。
 
人間をナメちゃだめだ。必ず這い上がることができる。
僕がしたことは彼に環境を与えただけで、
実際には本人の力でちゃんと自立できた。
 
彼は生きる力が本当になかったのにもかかわらず。
(いま現在の僕の友人のなかで、当時の彼くらい何もなかった人はいない)
 
 
これを読んだ方がどちらの立場かはわからないけど、
どうか伝わりますように。

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